電気工事のおっちゃんから学んだ3つのこと

仕事を辞めて実家に出戻った時の話です。

私の部屋にはエアコンがありませんでした。

学生時代は窓に取り付けるタイプのエアコンでなんとか頑張っていたのですが、それも年月がたち上手く動作しなくなってしまいました。

東北は涼しいイメージがありますよね。

しかし東北でも真夏は暑いんです。

今回エアコン取り付けのために電気工事を頼んだのですが、その仕事ぶりに感動しました。

仕事とはなんぞやということをおっちゃんから学んだので記しておきたいと思います。

何事も下準備が大切

前日におっちゃんは見積もりがてら下見を入念にしていました。

こちらも、持ち家に穴を開ける作業なので「やってみよう」では不安です。

親と打ち合わせをして、ここには穴を開けてもいいのか確認していました。

2階の部屋や屋根裏に繋がっている場所はどこなのかをおっちゃんはきちんと見ていきました。

工事の作業が終わってからおっちゃんはこう言いました。

「昨日きちんと話し合っておいてよかったよ」と。

下見をしてイメージできたので、当日は改めて計測してすぐに作業を始められたそうです。

何事も準備が大切ということですね。

人は外見で判断してはいけない

おっちゃんは外見が身長低めで色白、さらには年相応に歩行がゆっくりでした。

電気の設置は2階だったので、1階のブレーカーがあるところと2階を何度も上り下りしていたんです。

正直色々と不安でした。

「あの体格で壁に穴をあけるとか大丈夫かな」

「階段上り下りしすぎて倒れたりしないかな」

「あのでっかい脚立、ちゃんと持てるの?」

などと心配は尽きませんでした。

心配すぎて何か手伝えることはないか聞いてしまったくらいです。

しかし予想に反して、私は出来上がりに感動しました。

一見電気コードがわからないんです。

その理由は、カバーを壁の色に合わせて2種類わけて使用していたからです。

昨日の下見の時にちきんと壁の色までチェックしていたんですね。

さすがプロだと思いました。

普段何かと文句をいいがちな父も、「これは文句ない仕事ぶりだ」と発言するくらい。

見た目に反して仕事はきっちりやる、プロでした。

細かい気遣い

おっちゃんは最後に水道を使っていたようでした。

水道の説明してなかったけど、何に使うんだろう?と疑問に思っていました。

それは全て作業が終わってからわかりました。

きちんと自分の持ってきていたタオルを濡らして、床を水拭きしてくれていたのです。

私はそこにも感動しました。

また、家に入る時も自分のスリッパを持参してきていたのです。

「ああ、丁寧な人だなあ」と思いました。

おそらく70代後半のおっちゃん。

もはやおじいちゃんと言ってもいいような見た目でした。

しかし仕事ぶりはそれを思わせないほど丁寧で、細かい気遣いもされていました。

サービス業として当たり前だと言われればそうですが、私はとてつもなく感動しました。

今まで“田舎はサービスがずさんなところが多い”というイメージでいましたが、そんなことはなかった。

お値段以上の価値を感じました。

一人で完璧な仕事をしてくれた電気工事のおっちゃん、ありがとう。

あとがき

この文章を書きながらなんだか涙ぐんでしまいました。

最近は効率だ、生産性だとどうやって仕事を早くさばいて自分の時間を作るかという考えが先行し、それが当たり前のように感じていました。

しかし丁寧な仕事をするおっちゃんに出会い、効率や生産性を求めるだけが仕事じゃないと改めて教えてもらったような気がします。

この感動をずっと忘れたくないな。